後継前に明確にしたい新しい組織図と体制!計画的に行いたい役割の分担変更

後継前に明確にしたい新しい組織図と体制!計画的に行いたい役割の分担変更

今ある組織図の中で、最もインパクトのある人事が経営者の交代、つまり後継です。

中小企業でも規模が大きくなれば、その影響は大きく、社員にとっては大きな問題です。
何故なら、自分の処遇やポジションが変わるのではないかという不安と期待を抱いているからです。

確かに経営者と共に周囲のメンバーが変わる事も必要ですが、
急にやり過ぎると社内の反発を買い、業績に影響が出てしまう事もあります。

組織の改編、体制の変更で重要なことは、いきなりではなく、時間を掛けて変更して行くことを予め計画することです。

そして、後継者が社長になる事よりも大切なことは、現経営者の役割をどう引き継ぐのか、自分の役割はどう変わるのかを明確にして、計画に落とし込むことです。

ここでは、後継後の組織図、体制のイメージと後継者の役割の変化を明確にすることの重要性について解説して行きます。

後継後の組織図、体制のイメージにどれだけ時間を掛けて近づけるか

社長を交代する前と後で、社内の組織図がガラッと変わるということは、
中小企業には無縁の話で、その様な事を実際にやってしまうと、かなり社内に弊害が起きます。

どのタイミングで後を継ぐかという問題に左右される事でもありますが、
若くして会社を継ぐと理想通りの組織にしようと思う余り、今いる社員、
特に管理職に対して、不満を持つことが多く、責任者の交代を安易に行ってしまうことがあります。

もちろん、何かしらの判断で役職者を交代させるのは、必要な事ですが、会社規模が小さな中小零細企業の場合、新しい役職者候補が育っていないケースが多く、役職に就けても機能せず、成長するまで会社が待てないという状況が起きてしまいます。

これは職務と業務の問題でもあります。

よくある話ですが、成績の良い営業マンを管理職したところ、
本人の実績だけはなく、その部署の業績が下がったということは、日常的に起きています。

私もこれについては、父の代に目の当たりにしているにも関わらず、後継後に同じミスをしています。

この管理職と現場適格者の問題は、中小零細企業では人材不足にもよりますが、もう一つは管理監督者が、実務でも優秀でないといけないという日本特有の思い込みも原因となっています。

それに比例して、管理監督者の方が現場で実務を行う優秀な人材よりも収入が多いという事も、多くの人が管理職になりたがる理由にもなっているでしょう。


本来、役割と役職が連動して、それに伴って収入も決まるべきですが、
そこの一貫性がないというのが、日本の中小零細企業の課題でもあります。

ですので、後継後に組織図、体制を変更する際には、
現場の優秀な人材を管理職に据えるというのは一旦、保留にして欲しいのです。

可能であれば、その人材が管理職に向いているのかを試す、様子を見る。

これに時間を掛けてもらいたいのです。
一旦、役職を上げたり、給与を増やしたりしてしまうと
それを戻す、下げるというのは容易ではありません。

せっかくの優秀な人座が離職する可能性が高くなり、
本末転倒という事態を招いてしまうかもしれません。


部署や部門をいきなり任せるのではなく、
部署一人の面倒を見させる、新人教育を任せるなど、テストをして下さい。

その際、現行の管理職には、波風が立たない様に将来の可能性という形で話をすると良いでしょう。

その手間を省いてしまうと、現行の管理職が抵抗勢力になり、管理職候補に対して足を引っ張る様な体動、言動が増えることも頭に入れてください。

これらを考慮すると組織図、体制の変更は、
慎重に時間を掛けてやるべきだという事がご理解頂けるでしょう。

Q.9長期視点に立った後継後の組織図、体制のイメージが描けていますか?

後継前と後で自分の役割がどう変わるのか明確にすることの重要性

分の理想の組織図、体制に変更する前にやれる、やるべき事があります。

それは、先代と後継者の仕事の役割を明確にするという事です。

社長になった途端に先代から全ての仕事を引き継ぐというのは、中小零細企業では現実的にはあり得ない事です。

多くの場合、継いだ後から徐々に仕事を委譲して行くというのが大半でしょう。

ですが、その場合、先代が実施的に譲らないというケースが多く、後継者の立場が曖昧になる事が多いです。

その場合の後継者の感情は、非常に辛いものです。
やる気があるのにやらせてもらえないという生殺しいの様な状況です。

この場合、後継者はどうしたら良いでしょう。

仮に社長という肩書きがあったとしても、
それ以前の役職だと思い、業務も同じ様に変えずに行うことも必要です。

この問題は、時間が解決してくれる事が大半で、
先代の年齢によっては意外と早く、状況が変わることも多いので、焦らずに待つ事が重要でしょう。

可能であれば、後継する前に社長が何を業務として担っているのかを明確に把握することで、それらをどの様に引き継いでいくのかを話し合うことも可能になります。

反対に後継者が今、担っている役割を自分自身で行うのか、それとも誰かに引き継ぐのかも事前に計画する必要があります。



特に時間を掛けるべきこと。

それは後継者なり社長なりの人としての繋がりによって生まれたり、
こなせたりしている仕事は、後任者が同席して、
状況や相手を知ることを丁寧にやるのがベストです。

但し、営業先が多くて全てに同行出来ないなど、
仕方がない場合もありますので、無理のない可能な範囲での引き継ぎを行うと、
取引先にも良い心象を与えて、その後のやり取りがスムーズになるでしょう。

引き継ぎをする業務は、洗い出してリスト化して、
どのタイミングで誰が引き継ぐのかを計画書に落とし込む事ができればベストです。

その際、社長じゃなくてもできる仕事があれば、社員さんに任せる事が出来れば、
社長しかできない仕事に集中できる様にもなりますので、意識したいポイントです。

Q.10後継前と後で自分の役割がどう変わるのか明確にし、計画に落とし込めていますか?

まとめ

会社の後を継ぐということは、後継者にとっては大きな人生のターニングポイントと言えますが、それは現経営者の社長にとっても、その会社の社員さんにとっても大きなイベントです。

ですが、それを大事に捉えて、騒ぎ立てるのではなく、粛々と計画的に長期的に引き継ぎを行なって行く事が、社内外に波を立てずに、穏やかな後継を行い事が出来るのです。

血気盛んにやる気を出して社内改革に取り組むというのは、若さ故の過ちとなりかねず、時間と労力を掛けてゆっくりとした変化を起こす事が失敗しない後継ではないでしょうか。