後継前に知っておきたい社内外の相談相手!信頼できる社員と頼れる専門家
社長の交代から時間が経過すると、
先代に相談することも年齢などの状況もあり、身近に相談する相手がいないというケースが多くあります。
家族と数人で営む零細企業であれば、相談を社員にする事が難しい場合もあるでしょう。
ですが、自分よりも社歴が長く、
その業界や職務に長けている先輩社員がいるのであれば、話をしてみることも場合によっては必要です。
勿論、口が軽かったり、信用に足らなかったりすれば、
相談する相手には相応しくないですが、ちょっと物足りなかったとしても、
話をすることで自分の考えや状況が整理され、答えが見えてくることもあります。
相談内容が離職、不正などであれば、迷うことなく専門家に相談をすべきです。
ここで多くの後継者がする間違いが、手近にいる親しい友人や他の経営者に相談するということです。
何故、これが間違いかというと、
彼らはその業界や業種でなかつたり、専門家ではなかったりするからです。
意見として聞いておくという程度なら良いのですが、
相談相手が少ない場合、その人たちの意見通りに動いてしまい、上手く行かないという事が起きるのです。
ここでは、社内外に相談する相手がいることの重要性について解説して行きます。
先代から会社を知っている番頭さんの様な社員がいることの有り難み
中小零細企業を後継すると、
多くの場合で先代の時代に入社した、自分よりも年上の先輩社員が多くなる傾向があります。
これはある意味、仕方がないことで、変えることのできない状況です。
その様な状況下で後を継いだ場合、後継者が変化をもたらそうとした時には、
残念ながら彼ら古参社員が、抵抗勢力となり、足を引っ張る、保身に走る事を否定できません。
ですので、組織や業務などの変化は、穏やかに起こす事が重要です。
その中であれば、古参社員にとって後継者は、自分を守ってくれる先代と同等の存在となります。
一旦、その様な関係を築く事が出来れば、後継者にとっても古参社員は、
良き先輩でしかなく、必要な場合には、良き相談相手にもなってくれるでしょう。
意見を交換するということを事前に行っておけば、仮にその社員の考えとは違う決定をしたとしても、事前に相談してくれたという事で、話が通りやすくなります。
会社規模がある程度大きければ、その様な社員さんには、
根回りをしておいてもらう役回りをお願いても良いでしょう。
代替わりをする前から、先代の社長との関係を見て、
能力よりも誠実性を重んじて、その様な人に相応しい相手を見つけられるとベストです。
先代の代からの番頭さん。
その様な信頼に足りる社員さんがいると後継後も安心して、会社経営をする事ができるのです。
その様な存在がいなければ、役職を与えたり、昇給をする必要はありませんが、相談相手をテストしながら見つける事が重要でしょう。
相談する内容、意見を聞く内容を軽めに設定して、秘密性の低い内容を相談してみて下さい。
その答え方、相談後の行動をみて、相談するに足りる相手か見極める必要があります。
社員さんが多ければ、個別にその人を知る事が難しいので、
意図的に場を設ける様にして、話を聞く様にする事が重要でしょう。
社員と経営者という立場がありますので、そう簡単ではありませんが、
そのやり取りの中から、信頼に足る人物なのかを見極める事が目的だとチャレンジしてみて下さい。
Q.11社内に信頼できる番頭さん的なポジションの社員がいますか?
不正や離職などの社内トラブルは、外部の専門家に相談をするべき理由
社員が多ければ多いほど、
人に関するトラブルや悩みが多くなり、心が休まる事がない後継者も多いでしょう。
社員同士の揉め事、お客様とのトラブルやクレーム、
社員の不正や離職など、日常的に起こっているかもしれません。
ですがその様な状況であれば、社内での聞き取りは社員から出来ても、相談はできません。
誰に相談するべきなのかというと、専門家に相談すべきなのです。
殆どの会社には、顧問の税理士か会計士がいるでしょう。
彼らは、税金や会計処理の専門家であって、それ以外は専門家ではありません。
労使トラブル、問題社員の悩みについては社労士、社会労務士に相談する必要があります。顧問の社労士がいれば良いですが、中小零細企業の場合は多くないでしょう。
その場合、公的機関を頼って相談して、社労士を紹介してもらうことも良いでしょう。
ですが、ここで注意すべき事があります。
それは、一言で社労士と言っても、得意・不得意がありますので、
相談内容に長けているかを確認する必要があります。
助成金などの申請や就業規則を作るのが得意という社労士もいますし、社員との面談などが得意な社労士もいますので、難しいかもしれませんが、見極めが必要です。
書類作りが得意な社労士は沢山いますが、面談力に優れた社労士は貴重ですので、顧問契約ができなければ、有料でも相談できる相手として押さえておきたいところです。
更に、法律の問題が絡む不正、訴訟などであれば、弁護士に相談することも必要です。
社労士の範疇を超えている場合です。
弁護士の顧問契約料の相場は高いので、
都度の有料相談でも良いので、相談できる弁護士を見つけておくと良いでしょう。
弁護士は、社労士と違って、中小零細企業の実務については疎い場合が多いので、
説明をする際には、十分な資料を用意する事が重要です。
給与の払い方、経費の使い方などは税理士や会計士、社内のトラブルは社労士、社労士の範疇を超えた法律に関わるトラブルは弁護士。
その様な形で相談相手を使い分けると間違ったアドバイスを聞かなくて済むでしょう。
相談すべきではないのは、家族や身近な友人、経営者仲間です。
親身になってくれたり、感情移入してくれたり、心細い時には嬉しいと感じます。
ですが、彼らは専門家でもありませんし、経営者でもなかったりするのです。
仮に経営者だとしても、意見は参考程度に聞いても良いですが、
決めるのは、自分自身だということを忘れないでください。
まとめ
経営者は孤独だとよく言いますが、
それはその境遇を理解できる人が少ない、身近にいないという事が理由でしょう。
ですが、信頼できる社員と相談できる専門家が3人いれば、一人で悩む必要はありません。
その様な存在はお金には代えられない貴重な存在だということを覚えておいて下さい。
私自身、相談相手を間違えた事で大きな失敗を何度もしました。
早く答えを出さないといけないと焦ってしまう事がこの様な状況を招いたと振り返っています。
今思うとそんなに結論を急がなくても良かったということもあり、その点も経験不足を否めない部分です。
その経験を埋めてくれるのは、番頭さんであったり、外部の専門家だったりの知恵と経験です。
それらを借りることを忘れずに、孤独を感じずに経営しましょう。
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