後継前にやっておきたい社内規定の見直し!3年以内に更新された就業規則と現実的な運用に見合った退職金規定

後継前にやっておきたい社内規定の見直し!3年以内に更新された就業規則と現実的な運用に見合った退職金規定

日々、売上や顧客対応に追われている厳しい状況であろう中小企業。

そんな息をつくものやっとの様な経営下では、社内規定の見直しは、後回しにされがちです。

ですが、そんな社内規定の中でも特に就業規則、
そして退職金規定は、作ってから年数を追う毎に、使えないものになりがちです。

整備された就業規則や退職金規定がない、
現経営者が10年前に作ったままという様な話は中小零細企業では珍しくありません。

では、なぜ今まで見直しをすることがなかったのでしょうか。

一番の理由は、労使の関係が雇用者、
つまり会社が強く、被雇用者である社員さんが弱いという図式が成り立っていたからです。

多くの場合、終身雇用で定年まで勤務することが前提で、就労していた時代。
その様な状況下では、社員さんも事を荒立てる様な事態は避けて来たのでしょう。

ですが、今はどうでしょう。

被雇用者の権利が見直され、終身雇用時代が終わりを迎えました。
その様な状況下では、雇用者である会社の方が弱い立場とも言えます。

ですので、その弱い立場を少しでも守るためのツールが
就業規則や退職金などの社内規定が整備られている必要があるのです。

ここでは、就業規則と退職金規定を現実にあった運用にすることの重要性について解説していきます。

現実的な運用にあった就業規則に修正する重要性

被雇用者である社員やパート、アルバイトスタッフは、
ひと昔前とは違い、インターネットから様々な情報を収集しています。

ですが、それらの情報は限定的な情報だったり、間違った情報だったりすることも多いのですが、
残念なことに、それらを盾に自分の正当性を主張する社員やパート、アルバイトスタッフが多くなりました。

主張が間違っているのであれば問題ないと思われるかもしれませんが、そうではありません。

相手の主張が間違っていると証明する必要があるのは、企業側なのです。

些細なことでも、社員やパート、アルバイトスタッフから、
何かしらの回答や対応を求めららた場合は、それに対応する必要があります。

その時、論拠となるのが就業規則です。

ネットで書いてあった事ではなく、会社のルールはこうですと伝えることができる武器です。

もちろん、その就業規則は、経営者が勝手に作ったものではなく、社労士が作成していて、社員代表との同意があり、労働基準監督署に届け出があることでその強み、重みが増します。

社員の人数が少ない場合、届け出は不要でもありますが、
何かしらの補助金や助成金を受ける場合に、必要とされるケースも多くあります。

それに就業規則は、一度作れば終わりという性質のものではありません。

何年かに一度は、法律の改正がありますし、社会通念上の考え方も変化します。

ですので、3年くらいを目安に就業規則を見直すことをお勧めします。

顧問の社会労務士がいればベストですが、
無料で相談に乗ってくれる機関もありますので、
先ずは気軽に問い合わせをしてみることをお勧めします。

修行規則の変更となれば、それなりに手間も掛かりますし、正規の手順を踏めば、社員代表から同意をもらって、労働基準監督署に届け出が必要となります。

ですが、労使トラブルが起きて際に、問題になりそうな箇所がある場合は、
その手間や必要を惜しむことで痛い目に遭うケースも出てくるのです。

Q5.就業規則があり、3年以内に見直し、変更を行っていますか

退職金規定通り退職金を支払ったら会社が潰れる実態

退職金規定は、就業規則以上にシビアな問題と言えるでしょう。

その規定を作成した時点と現在の会社経営の状況が大きく変わっている場合、現実からかけ離れた内容になっている場合も多く見受けられます。

退職金規定の多くは、勤務年数が増えるほど、支払う退職金の金額が増える仕組みです。

ですので、5年以内に退職する場合であれば、さほど会社の資金繰りに影響はないかもしれませんが、10年以上務めた社員さんが退職となれば、それなりの規定額になっているでしょう。

その金額を現実的に支払うことができるのであれば、問題ありませんが、明らかに無理だというケースも出てくるでしょう。

退職金規定の変更は、安易に行うことは難しいですが、近々に退職される社員さんがいるのであれば、早急に社労士に相談する必要があります。

退職金規定を変更、廃止するには、それに代わる福利厚生、賞与の増額などが社員側から求められる事が予想されますので、それらを考慮した代替え案を用意する必要があります。

退職金規定は、あると社員が安心して長く働いてくれる材料になりますが、一度導入したら一方的に変更や廃止が出来ないというデメリットもあります。

もし、退職金規定がない企業は、導入を慎重に検討されることをお勧めします。

Q.6退職者を見通した、実際の運用に見合った退職金規定になっていますか

まとめ

今、日本は超高齢社会に投入し、同時に人口減少も著しく、
若い働き手となる人たちが圧倒的に不足しています。

それと同時に、起業する人も増えていますので、
起業に属して労働力を提供してくれる人は貴重な人材です。

ですので、その様な人材を大切にすることと同時に、
不測の事態に備えて社内規定、特に就業規則や退職金規定を見直すタイミングでもあります。

運用に見合ったものであるかを確認することから始め、
不明な点がある場合は、ネットの情報を鵜呑みにせず、専門家である社会労務士、
場合によっては弁護士に相談する事が会社を守る上では必要不可欠な時代なのです。