新規事業や経営改善に生かす!過去からの学び方

新規事業や経営改善に生かす!過去からの学び方

長年、会社経営をしていると「同じ様な経験が何度かあった」と振り返ることがあります。

商品やサービスを繰り返して提供する様な場合は、
意識的に繰り返して提供をすることもありますが、
よく考えると商品やサービスが違うだけで、実は同じ様なことをやっている。

そういうことは多々あるものです。

ですが、経営経験が浅いと過去の経験を生かすことが難しく、
結果的に若い人がそうなる傾向が強いと言えます。

では過去の経験を生かすといのはどうしたら上手く行くのでしょうか?

新しいことを始める時に、自分が過去に経験したことで似た様なことはないか、似た経験がなくても、一部でも似た要素がないかを振り返ることが過去の経験を生かす上で最も重要なことです。

人は新しいことにチャレンジしたり、新しい環境に飛び込むことで著しく成長します。

ですが、年齢と共に経験が増えることで、
新しい環境や新しいことに取り組む抵抗感が高まります。

なぜなら、現在の状況や環境に不満があったとしても、
別の新しい環境に飛び込むことへの恐怖の方が強いからです。

私たちにとって未知は最大の恐怖です。

その恐怖に打ち勝つ時に糧となるのが過去の経験を紐解くことです。

仮に新しい事業を経営するとした場合でも、
全く事業経営をしたことがない、起業をする人とは違うわけです。

新しい事業や部門、会社だとしても、
今まで扱っていない商品やサービスだとしても、共通点は多くあるのです。

ですので、脱サラして起業する人に比べれば、
多くの過去の経営経験があるので、優位だと言えるわけです。 

新しいことだけではありません。

今ある事業を改善する、経営改善をするという場合でも、過去の経営経験は活かされます。

新しいことを始めるにしろ、既存の事業の経営改善にしろ、
如何に過去の経験を読み解くき、新しい事に繋げるかが重要なポイントです。

もっと具体的に言えば、過去のデータを活かすことができれば、
経営改善に繋げることが容易になるのです。

過去データから学ぶ経営

では、過去のデータから学んで、それを経営改善に活かすにはどうしたら良いのでしょうか?

可能な限り、数値化をしてそれをデータとして残しておき、
そこから現状を改善する手がかりを見つけることです。

単純な経験則だけではなく、それをデータにすることで、
再現性が生まれたり、改善ノウハウの転用が出来たりするわけです。

漠然とした記憶だけで物事を判断するのは危険です。

スタッフはもちろん、経営者でも記憶は曖昧ですので、データとして残しておくことが重要です。

どんな物事にも傾向や確率があり、それが他の物事だとしても、改善の参考にはなるのです。

「2:6:2の法則」や「2:8の法則」、「千三つ」など様々な事に共通する数値的な法則も忘れてはいけません。

それなりの過去のデータと経験の積み上げがあるのですから、大いに参考にしたいものです。

商品やサービスが変わったり、販売方法や販売ルートが変わったりしても 結果が10倍になったり、反対に1/10になることも先ず有り得ないのでベースとして考える ヒントになるのです。 

仮説でも改善はできる 

直近の実績やデータを参考に、仮説を立てて改善計画を立てることも大切です。 

当社の例ですが、商品の売上を増やすために3本セットでの販売をしていたのですが、
現場のリーダーに更に販売数を増やすにはどうしたら良いかというアイディアを出させました。

そこで出てきたのが、2本セットでも販売をしたらどうだろうかというアイディア。

3本は買えない方で1本買っているお客様が2本買うのではないかという仮説によるものです。

悪くないのですが、楽観的なものの見方だけで、数字に根拠がないのが問題です。

直近のデータで1本での販売実績、3本の実績データから検証が必要です。

この場合、「1本から2本セットに何%のお客様が変わるか」と同時に、3本から2本に変わるお客様がいる事も想定が必要です。

ここで考えられるのが、「1本が2本になる可能性がどの程度か」という辺りの付け方でしょ う。 50%ものお客様が変わるかというと考え難いですから、「30%程度ではないか」という仮説 を立てて見ます。 

反対に、「3本から2本に減るお客様が30%より多いか、それとも同程度か」という検証をし ました。 

このケースの場合は、「30%程度のお客様は2本になると」考え、
直近のデータを元に合計の売り上げ数量見込みと売り上げ金額を出しました。 

結論として、2本セットを導入しても販売数量と売上ははほぼ変わらないので、
2本セットの販売は実施しませんでした。

過去の経験が少なかったり、
想像力が欠けているとこの様なことが起きてしまうことも多々ありますので、
データとして残しておくことが重要です。

数字に強くないスタッフは、
数値化を面倒くさがってやろうとしないのですが、
日々の数値化が経営改善に繋がるデータとなるのです。

まとめ

経営改善を行う上で、様々な判断する場合には、数値データが重要な決め手となります。

あくまでも売上や利益を増やすことが前提で考えるのですから、その答えも数値である必要があります。

だからと言って、膨大な過去データが必要なわけではありません。

多くて直近3年程度のデータがあれば、十分でしょう。
今は変化のスピードが激しい時代ですので、古いデータが役に立たない可能性も高いので す。 

経営改善では過去データも鮮度が重要になって来ます。
これからの時代、過去に経験したことがない場面が多く到来することでしょう。

ですが、その中でも経営上、過去の経験が生かされ、改善に繋がる場面があります。

初めてと思える状況でも、
じっくりと「過去に似た経験がないか」を見直す時間を作ることから始めましょう。