中小企業を経営する上で最も大切なことは何か?

中小企業を経営する上で最も大切なことは何か?

「中小企業を経営する上で最も大切なことは何か?」
と聞かれたら私はこう答える。

未来に起こることを既に経験済みであったり、
知識として持っているアドバイザーがいること。

私は父が創業した会社を継いだが、
実は継承自体は上手く行かなかった。

理由はいくつかあるが、シンプルに言うと以下の2点だ。

・父が社長を退いてから亡くなるまでの時間が短かった
・優れたアドバイザーを持たずに素人が会社経営を始めた

1つ目は中小企業によくある事だろうが、
私の父の場合、アルツハイマー病である事を隠してまで社長を続けようとし、
業務に支障が出始めたため、私が父に印籠を渡す様な形で事業継承をしてしまった。

2つ目も状況としてはありふれているかもしれない。
サラリーマンをやってた息子が突然、父に代わって社長になる。
そんな話もよくある。

理由や状況は違えども突然、父親の代わりに会社を継ぐという話までは珍しい話でもないだろう。
しかし、その後、その会社・経営者がどうなったかという話は余り聞く機会がない。

私も突然、継承した状態に近い為、周囲から言われるがまま、物事を決めて進めていた。
しかし、このタイミングから実は大きくズレが生じ始めたいたのだ。

40歳を過ぎて一つ一つの仕事は問題なく、むしろ高い生産性でこなせる。
そんな自負もあったので、会社経営をするということも業務として考えていた。

しかし、そうではないと知るまでに相当な時間と犠牲を私は払った。
どれだけの種類の業務を沢山、経験していたとしても会社経営は全く別物だ。
中小企業の経営者としての経験若しくはそれに代わる知識が必要なのだ。

しかし、会社を何社もやっているという人はそう多くなく、
ほとんどの人が初めての経験の中で運営して行くのだ。

その時に如何に安全でリスクの少ない選択ができるか
というのが鍵なのだが、多くの場合は選択を間違えてしまう。

というよりも、選択肢が他にもあるのを知らないまま進んでしまっていると
言った方が良いだろう。

つまり、ABのどちらかを選ばないといけないと思い込んでいたら、
実はCDもあったということだ。

CDを選んでいたら上手くいったはずなのに
ABを選んだために、会社としてダメージを受ける
ということは実は多いのだ。

そして、一つ一つは小さいかもしれないが、
小さなダメージが蓄積していくことが
中小企業を経営している上で、大きなダメージになりかねないのだ。

何故、このような間違いが起こるのだろうかというと、
経験と知識がないという理由に尽きる。

しかし、先述の通り、多くの場合は知識も経験もない人間が後継者になっているだろうし、
それは防ぎようがないことかもしれない。

では、どうしたら良いのだろうか?

答えはシンプルで、
「自分よりも知識や経験を持った人からアドバイスを貰う」
という事だ。

ABではなくて、CDもあるよ」
そう教えてくれるアドバザーだ。

更に言えば、
Aを選んだ場合、こうなることが予想される。
Bの場合は、CDの場合は・・・
と予想される起き得ることを教えてくれるアドバイザーが
本当に優れたアドバイザーだ。

Aが良い、Bが良いとアドバイスをする野次馬はいつも必ずいるが、
彼らは所詮、素人で知識も経験もないのだ。

しかし、自分と親しいとか、自分より年が上だとか
そんな理由だけで野次馬のいう事を信じてしまう。

それが悲しい現実だ。

多少お金を払ってでも、優れたアドバイザーから話を聞く事を
私は強くお勧めする。

そのアドバイザーの知識と経験をお金で買うということになるのだが、
あなたは決してその額では同じ知識と経験を身につけることが出来ないのは
ご理解頂けるだろう。

僅かな知識の差が、大きな違いを生むという現実を理解するのは
非常に大きな代償を払う必要があるのだが、
これを読んだいるあなたには、私のような苦い経験をして欲しくないのだ。

往々にして、経営者は孤独だ。

その寂しさを紛らわすため、同じ中小企業の経営者と集まるのも悪くない。
しかし、彼らの多くも経験と知識が足りない経営者である場合が多いという事を忘れないで欲しい。