経営最大の悩み!利益を出すためのコストマネジメント
近年、会社を経営する上で、
様々な経費、コストが高くなり始めていて、利益が出ないと悩む経営者が増えています。
多くの経営者が同じ悩みを抱えていますが、
その原因と対策がハッキリしないこと自体も悩みの原因となっているでしょう。
一つは、深刻な人手不足による悩みです。人を介す経費が全て増えて始めています。
更に、外注費も人件費の上昇と共に増加傾向となり、
配送料も同様に上昇傾向が強まっているのも悩みです。
また、海外からの原材料や商品が安定して入って来ない様な状況も増え、それに伴って、比較的人件費が安い外国から工場を日本国内に戻す様な動きも始まっています。
経営をする上で利益が出ない場合、大きなコストである人件費をどうにか出来ないかと考えるのも当然です。
ですが、人件費を削る前に既にいる人材を活用して、
どうしたら利益が増えるかを考える方が得策です。
ここでは、人件費の前に固定費を見直す重要性を解説して行きます。
経営の悩みは既存の人材で解決する
コストの中では大きな割合を占めるのが直接、雇用している社員・スタッフの人件費です。
最低賃金は、年々上昇しますし、僅かな賃金の上昇だとしても全社、
年単位で考えると経営規模によってはかなりの負担増になり、悩みのタネでもあるでしょう。
給与20万円の社員に1%の昇給をした場合、月の負担は2,000円ですが、年間では 24,000円。
これが4人ともなれば、年間96,000円となり、10人なら24万円ですので、一人分の賞与 と同程度の人件費増となるワケです。
更に、固定給には社会保険料も掛かりますので、
実際は額面の1.5倍程度のコストアップと なります。
利益の捻出が悩みの経営者としては、人件費は可能な限り抑えたいと思うところでしょう。
ですがその反面、人材不足のため、売り手市場となっているので、
給与が安いと人が集まらないという悩みを多くの経営者が抱えています。
求人募集をしても、人が集まらない場合、
やはり既存の社員・スタッフには、戦力となってもらう必要があります。
既存の社員・スタッフには、厳しい会社の現状を把握してもらい、
昇級したいが出来ない苦しい旨の内を伝えることも場合によっては必要でしょう。
いくら売り手市場と言っても、長年勤務した会社であれば、社員・スタッフも愛着がありますし、どうにか力になりたいと思うのが心情です。
既存の社員の人件費を減らす前に、一緒にコスト削減に努めてもらいたいという経営者の
思いを伝えることが最優先でしょう。
残念ながら、社員は経営者ほど利益に対する意識は高くなく、
売上でしか見ていない場合が多いのも事実ですので、そこを意識させることも重要です。
その上で、売上、利益のアップのための施策を全社一丸となって、
検討して行動することが悩みの解決の第一歩です。
人件費以外のコスト見直しで利益アップ
利益を増やす上で、真っ先に見直したいのが、固定費です。
電力の自由化により、民間の電力会社への切り替えも検討したいところです。
実際、自社での話ですが、電力会社を切り替えることで、年間で約1万円のコストダウンが 出来ました。
1万円というと僅かですが、直接利益が1万円増えるので、目に見える利益増としては取り 組みやすいのが経営上のメリットでもあります。
照明器具をLEDライトに切り替えるというのも、店舗や工場など、常に照明を点けておく 必要がある場合は、効果がありますが、日中の照明使用が余りない様なオフィスなどであれば、むしろ初期投資が高くて、元を取るのに時間が掛かるということも起きるので注意が必要です。
携帯電話、固定電話、インターネット接続回線なども、
必要以上の回線数がないか、料金プランが適当かどうかなども検討すると良いでしょう。
これらの通信系の料金は、固定の月額料金の台数を減らすのか、個々の通信料などを減らすのか、通話料だけを会社が給与に上乗せで払うのかなど、いくつかのパターンが考えられますので、自社の業態や状況に見合った経費の削減を行うことが重要です。
車両のコストも大きく、利益を左右することがあります。
リースの場合、保険料やガソリン代以外は、殆ど含まれていますが、月々の料金が大きいので、走行距離が多くない場合は、購入した方が利益を増やせる事も多くあります。
但し経営上、管理業務が増えるので、それに伴い、人件費が増加することも踏まえて、リースにするか買い上げにするかを検討すると良いでしょう。
発送料も一律、荷物の大きさに関係なく、
同じ業者という場合が多く、利益を奪っているケースが多く見受けられます。
手間がさほど変わらず、まとめて発送するなどの工夫で
発送にかかるコストは下がることもあるので、業者との交渉も有効です。
まとめ
経営をする上で、利益についての悩みは絶えることはありません。
その様な場合、利益を大きく奪う経費に目を奪われがちですが、
同時にその経費からどれだけ利益が生まれているのかを知ることが重要です。
ですので、何によって利益が生まれ、何に利益が奪われて行くのかを把握する。
この両方をやらないと、早々に人件費を削るという手段に手を出してしまいがちです。
もちろん、人件費は企業で最大の経費であることが多く、
そこから利益が生まれないのであれば、見直す必要があります。
ですが、むやみに人件費を削れば、社員のモチベーションが下がり、離職にも繋がりかねません。
売上が上がらないという悩み、人手が足りないという悩み。
それらに比べたら、利益が出ないという悩みの方が解決しやすいこともあります。
経営資源である人を上手く活用することが利益アップ経営の秘訣でもあるからです。
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